「福翁自伝」のP102(岩波文庫版)の中で、福沢諭吉が英語の勉強を始めるときの様子が書かれています。彼ほどの天才でも英語を一から覚えると言うことに一人で取り組むには気が引けたらしく、一緒に勉強をしてくれる仲間を捜しました。最初に神田孝平、次いで適塾の先輩の大村益次郎に申し出て断られましたが、原田敬策が「喜んでやろう」と言ってくれたので一緒に学友を得ることが出来ました。この話は司馬遼太郎著の「花神・上巻(新潮文庫版)」のP321にも書かれています。
福沢はオランダ語の素地があったので、文章の読み書きは直ぐに覚えたようでしたが、会話が分からず苦労したようです。
英語の発音を覚えるためにアメリカやイギリスの船が日本人の漂流民を助けて送り届けてくれた、と言う話を聞き込むと、その人の所へ押し掛けて発音を習ったと書いています。
もし、彼がスピードラーニングを聞いたらどんな反応をするか、想像をすると楽しくあります。
わたし自身、スピードラーニングを始めてから4ヶ月目に入りましたが、未だに何を言っているのか意味はつかみかねています。名詞は比較的聞き取れるようになったのですが、動詞が全く聞き取れないので、結果的には何をするのかが分かりません。
自分が落ちこぼれなのか、それともスピードラーニングで英語を学んでいる人は、皆さん最初の半年くらいはわたしと同じように何を言っているのか分からない状態なのでしょうか?
他の人と勉強の進行具合が比較できないでいので、不安になることもあります。時にはスピードラーニングで本当に英語が聞き取れるようになるのか、疑問に感じることもあります。
英会話を学ぶ人同士のコミュニティが作れないか
最近考えついたのが、スピードラーニングに限定せず、英会話を学んでいる人同士のコミュニケーションを図れるサイトを作れないかと言うことです。
最初はmixiでコミュニティを作ることを考えたのですが、mixiは文字でコミュニケーションを図るので英会話のような音声で学習をするという素材のコミュニケーションの場には適さないと気づきました。
わたしはインターネット関係のシステムエンジニアなので、ネット上でのコミュニティを作ることは造作も有りません。ただ、アイデア、コンテンツが思うように浮かんできません。
福沢諭吉ではないですが、1人よりも2人、3人で覚えた方が切磋琢磨できるし、覚えは早いです。
勉学で一番時間がかかるのが独習することだとよく言われます。
英語の学習も様々な方達とコミュニケーションをとり続けている事で続けられるし上達するのだと思います。
今考えているコミュニティサイト
コンテンツやサービスは「会話」がメインとなるので、ネットには不向きなのですが、例えばGPSとデジカメの画像を組み合わせて、実際に海外旅行に行った体験を、写真を載せたり、GPSで取得したルートをネット上にgoogle mapsで表示しながら、レポートを書いて、そのレポートにコメントを付けてコミュニケーションを計る。あるいは会話が成り立たなかったことや会話が通じたおかげで楽しかったことなどのエピソードもあわせて書いたり、その場所をGPSで場所を表示して、写真でイメージを伝える。こんなコンテンツを考えています。
また、有る程度メンバーが集まったら東京や大阪などの大都市でよりコミュニケーションを計るオフ会を開催したりということを考えています。
福沢諭吉と原田敬策の英語の学習の落ち
福沢諭吉はやはり天才だったらしく、半年ほどで一通り英語を覚え実質的な通訳として咸臨丸に乗ってアメリカに渡ってしました。後に原田敬策一人が取り残されてしまいました。
しかたなく原田は大村益次郎に「福沢がいなくなってしまったので、英語を一緒に学んではくれないか」と声をかけると、大村もこんどは「うん」と言って英語を原田と一緒に学んだそうです。大村は単に福沢が嫌いだったのかもしれません。
大村に英語を教えてくれた先生ですが、「ヘボン式ローマ字」で有名なヘボン博士でした。ちなみにヘボンは今の日本語ではヘップバーンと読みます。
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