モニターのアルファ300を手に日光の男体山を写しに行ってきました。(2008/7/21)
持参したカメラは3台、左手にアルファ300、右手にキャノンの40D、ポケットに万一雷雨となっても撮影できるように防水カメラのペンタックスW20を入れています。
装備はこれまでに紹介してきた登山用品を身につけています。
この日は、前日とうってかわって男体山には日が差し雲がほとんどありません。逆に中禅寺湖には雲がかかり、男体山からは見えない時間が多くありました。視界が広い山頂付近からの眺望は最高でした。昨日なら頂が曇っていたのでこの景観は見られなかったでしょう。
レンズの性能の比較
アルファ300 | 40D |
F3.5-5.6 | F4.0-5.6 |
18-70 | 17-85 |
レンズは40Dの方がやや広角で、望遠の倍率も高いですが、ほぼ同等と思って差し支えありません。F値はアルファ300の方がやや明るいです。
レンズそのものの性能は明らかに40Dの方が高く高価です。40Dについているレンズは「EOS 40D - EF-S17-85 IS U レンズキット」のものです。EF-S17-85 IS Uは希望小売価格が87,000円(税別)のレンズです。
下記の写真は全てアルファ300と40Dの比較です。撮影の設定は2機種とも同じにして絞り優先モードで行いました。
クリックをすると画像が拡大します。
登山口の写真
男体山の表口は中禅寺湖湖畔の二荒神社の境内にあります。受付を神社のお守り売り場でするのも妙な気がしましたが、入山料を払うとお守りをくれたので登山が無事にすむような気がしてきました。人間とは不思議なものです。
アルファ300 |
40D |
ややアルファ300の方が明るく写るようです。レンズのF値が3.5と明るいからかもしれません。
Exif情報 | アルファ300 | 40D |
露出時間 | 1/100sec | 1/400sec |
Fナンバー | f/3.50 | f/4.0 |
ISOスピードレート | 100 | 400 |
レンズ焦点距離 | 18mm | 17mm |
オトギリソウ
五合目で見かけた一輪のオトギリソウです。大雪山では見慣れていましたが、男体山ではこの一輪だけでした。大雪山だと1000mから1500m付近でよく見かける花でした。
アルファ300 |
40D |
アルファ300の方がやや暗く花の細部までしっかりと写っています。40Dの方は明るすぎて色とびを起こしています。
Exif情報 | アルファ300 | 40D |
露出時間 | 1/160sec | 1/320sec |
Fナンバー | f/5.60 | f/5.60 |
ISOスピードレート | 100 | 400 |
レンズ焦点距離 | 70mm | 85mm |
九合目で見かけたルリビタキ
森林の中で野鳥を撮影できるのは珍しいです。このルリビタキはわたしが害を与えないと分かってくれたのか、わたしの周りを飛び回っていましたが、他の登山者がやってくると飛び去ってしまいました。
アルファ300 |
40D |
森林の中の小さなルリビタキに焦点を合わせるので、MFで撮影をしました。MFへの切り替えや焦点を合わせる作業は40Dの方がやりやすかったです。
スイッチなどの操作性・ユーザビリティは好みがあると思いますが、総合的にみてアルファ300はコンパクトデジカメから上位のデジイチに乗り換えるユーザーを対象としているためか、操作がモニターで行えるなど分かりやすい反面、マニュアル的な操作に慣れた人にとっては操作が煩雑で手間がかかり使いにくく感じます。
それとカメラとレンズの応答性がアルファ300は40Dと比べると遅いです。これは40Dが本来はアルファ700と比較される上位機種のためにやむを得ないと思いますが、野鳥などとっさに現れて、あっという間に消えてしまう被写体を取るのであれば、アルファ300の応答性の遅さは気になるところです。
Exif情報 | アルファ300 | 40D |
露出時間 | 1/125sec | 1/500sec |
Fナンバー | f/5.60 | f/5.60 |
ISOスピードレート | 160 | 400 |
レンズ焦点距離 | 70mm | 85mm |
山頂付近から見下ろした中禅寺湖
昨日わたしがカヤックで遊んだ湖です(SONY アルファ300 レビュー 水上編 | カヤックに乗り中禅寺湖を撮す)。男体山の魅力は、山頂から見える中禅寺湖や周囲の山々の景観の美しさにあるといえそうです。
アルファ300 |
40D |
アルファ300は手前に樹木がありやや暗く写っています。40Dは瓦礫の上から撮影をしたので明るく写りました。完全な同一条件ではなかったのが残念です。
Exif情報 | アルファ300 | 40D |
露出時間 | 1/1000sec | 1/5000sec |
Fナンバー | f/5.60 | f/4.00 |
ISOスピードレート | 100 | 400 |
レンズ焦点距離 | 35mm | 17mm |
男体山の山頂です
山頂を示す標識はなく、一本の鉄柱が岩に打ち付けられているだけでした。岩の上が最高所のようです。みんなでかわりばんこに岩の上に登って写真を取り合っていました。
アルファ300 |
40D |
ほとんど同じように写りましたが、アルファ300の方が空の青さが濃いようです。実際の空の青さはもうすこし淡く40Dの方がより忠実に空の青さを再現しています。
Exif情報 | アルファ300 | 40D |
露出時間 | 1/2500sec | 1/3200sec |
Fナンバー | f/3.50 | f/5.60 |
ISOスピードレート | 100 | 400 |
レンズ焦点距離 | 18mm | 17mm |
コケモモ
志津小屋へ下る途中で見つけたコケモモと思われる小さなツツジ科の花です。地面の上10センチほどの高さに咲いているので、デジタル一眼レフカメラのようなファイダーで撮影するのには、一番苦手な被写体の一つです。
アルファ300のクイックAFライブビュー機能が威力を発揮する機会です。
花の手前の葉がオートフォーカスの邪魔をするのでマニュアルフォーカスで焦点を合わせました。
アルファ300 |
40D |
花の位置が地面からの高さがわずかしかないので、40Dではしゃがんでもこの高さの角度から撮影するのが限界でした。
アルファ300は地面すれすれに花の真横にまでカメラをさげて、ライブビュー機能で花を見ながら焦点を合わせて拡大して撮影をする事が出来ました。
予想はしていましたが、高山植物のような地上から数センチから10センチほどの小さな花を撮影する時にアルファ300のライブビュー機能が絶大な威力を発揮します。
Exif情報 | アルファ300 | 40D |
露出時間 | 1/320sec | 1/320sec |
Fナンバー | f/5.60 | f/5.60 |
ISOスピードレート | 100 | 400 |
レンズ焦点距離 | 70mm | 85mm |
森林の小径
志津小屋の手前の鬱蒼とした森林の中の小径です。木漏れ日が差しています。
アルファ300 |
40D |
薄暗いのでシャッタースピードが落ちますから、レンズの明るさにプラスして、手ぶれ補正機能がしっかりと働かないとぶれた写真となってしまいます。どちらの機種もしっかりと写っていました。
Exif情報 | アルファ300 | 40D |
露出時間 | 1/30sec | 1/50sec |
Fナンバー | f/5.60 | f/4.50 |
ISOスピードレート | 125 | 400 |
レンズ焦点距離 | 18mm | 17mm |
わたしの比較の感想です
カメラに任せた半自動の絞り優先で撮影した写真はアルファ300の方が思い通りの写真の撮影が出来ました。
しかしマニュアルフォーカスで確実にピントを合わせたりと手作業を加えて撮影をした写真は、明らかに40Dの方が綺麗な写真が写せました。
コンパクトデジカメから最初に写る機種としては、アルファ300の方が適していると言えるでしょう。ほとんどカメラ任せ(コンパクトデジカメと同じ感覚)で、コンパクトデジカメとは別世界の写真を撮影できます。
アルファ300では物足りなくなったら、上位機種にアルファ700が用意されているので、レンズなどの資産も無駄になりません。
最初に手にするデジイチ(デジタル一眼レフカメラの略、すんなりとデジイチと言えるようになりましょう)としてアルファ300はお薦めできるカメラです。
アルファ300の買い方
もしアルファ300を買うならば、出来ればレンズはキットではなく自分で納得のいくレンズを別途に買われることをお薦めします。アルファ300を手にして撮影をしていてもレンズの安っぽさは気になりました。もうすこし良いレンズとの組み合わせの方がアルファ300の能力は発揮できると思います。
幸いソニーはシグマやタムロンと言ったサードパーティー製からもレンズが発売されているので、気に入ったレンズが見つかる可能性が高いです。キャノン、ニコン、ソニー以外のメーカーではレンズの選択肢が狭められていますので、こうした買い方は出来ません。カール ツァイスのレンズが使えるのもソニーのデジイチの魅力ですが、レンズが高性能すぎてアルファ300ではオーバースペックでしょう。
アルファ700と組み合わせてアルファ300を買う
わたしの趣味の一つが高山植物を撮影することです。昨年まではキャノンのコンパクトデジカメのPowerShot S3を使用していましたが、S3の最大の特徴が液晶モニターを上下左右に自由自在に動かせるバリアングル液晶モニターでした。この液晶モニターのおかげで高山植物をしゃがむだけで沢山撮影できましたが、今使用しているキャノンの40Dではそうはいきません。この点、アルファ300ならライブビュー機能のおかげでS3の同様に高山植物をしゃがむだけで撮影できます。景観などは高性能のアルファ700で撮影をして、マクロレンズを取り付けたアルファ300で高山植物だけを取る。ちょっと贅沢な使い方ですが、軽量コンパクトのアルファ300ならではの使い方の一つだと思います。アルファ300は価格対費用のコストパフォーマンスの優れたカメラですし、アルファ700とレンズの互換性もあります。
わたしのアルファ300の記事
※追記:2008/9/29にレビュー記事を追加しました
- ソニー アルファ300 レビュー 発売日に筑波山を撮る
- SONY α300 レビュー 水上編 | カヤックに乗り中禅寺湖を撮す
- SONY アルファ300 レビュー 登山編 | 男体山の頂を撮す
- SONY α300 レビュー 屋内編 | イタリア大使館別荘を撮す
- SONY アルファ300 レビュー 小動物編 | ゴールデンハムスターを撮す
- SONY α300 レビュー セミナー会場編 | AMN サイバー大学ブロガーミーティングを撮す
- ソニー アルファ300 レビュー 都市編 | 夜景を撮す
- ソニー アルファ300 レビュー ライブビュー機能実体験編 | 床の上のソファーの脚を撮す
- ソニー アルファ300 ブロガーミーティング デジイチの撮り方の基本講座 AMN (2008/7/16)
- 自然派空間:男体山縦走記(二荒神社から山頂を越えて志津小屋へ抜けMTBで帰還)
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