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カシオ EX-FH20は大変出来の良いカメラです。ただし、細かな点でユーザビリティがニコン、キャノンと言ったカメラメーカーの機種に見劣りをしています。
ついでに言うと、無駄な機能を持たせて、それを付加価値としてカメラとしての性能としてはやや高額な価格帯に設定していると思います。
ニコン、キャノンの機種と比べてみました。
EX-FH20 ユーザビリティレビュー
グリップがしっくりとしません。
このサイズのカメラですと、わたしの手の大きさなら片手で撮影ができるのですが、グリップがしっくりせず落としそうな気がして、片手での撮影に抵抗感がありました。
わたしが所有している二世代前のキャノンのPowerShot S3と比べてみても明らかに劣ります。現行のニコン、キャノン製品と比べるとその差ははっきりとしてきます。
撮影モードのダイヤルを使いやすくするためにシンプルにしてあります。
しかし、このクラスのハイエンドコンパクトデジタルカメラのユーザーは多機能製も重要視するので、ここまで割り切ってしまうと、かえって使い勝手を損ないます。少なくともマニュアル、プログラム、シャッタースピード優先、露出優先のモードは欲しかったところです。
ダイヤルには動画の撮影モードと、１秒間４０枚連写モードしかありませんので、あまり役には立たないと思います。
全ての操作を液晶画面で行います。
小型のコンパクトカメラから移行してくるユーザーを意識した操作方法です。ダイヤルを少なくしたのも、同様の理由です。これが慣れてくると非常に使い勝手を悪くしています。慣れれば慣れるほど簡素な操作方法を望むのがユーザーの自然な流れですが、いちいち設定を液晶画面からでないと行えないのは不便です。
動画撮影モードが多様すぎるようです。
最新機種としてハイビジョン動画の撮影は当然必要ですが、それ以外の動画撮影モードは余分な気がしました。特に１／１０００秒の超高速撮影の動画は画面が小さすぎて何が映っているのか再生しても、撮影した本人ですら分かりませんでした。１／２４０秒の高速撮影は何とか見られる画像のサイズでしたので、この辺りが限界だと思います。それ以上の機能は、不要で、省いてしまいその分だけ価格を下げた方が良かったのではないかと思います。
記録メディアのSDカードが取り出しにくいです。
ほんのちょっとしたことなのですが、わたしの様に２日に１度は記録メディアから写真を取り込むユーザーにとってはこれは重要なことです。
取り出しにくさの理由ですが、SDカードのカバーがEX-FH20ではボディーに対して垂直に開きます。それに対して、ニコンやキャノンでは１００度以上の角度で開きます。わずかな角度の差が使いにくさを生んでいます。
１秒４０枚の撮影機能。
必要かと言われると疑問のある機能です。
ハイビジョンビデオカメラが１秒３０枚の高画質の写真を連続して撮影していると考えると、EX-FH20の４０枚のアドバンテージはわずかです。この機能も省いて、価格を抑えた方が良かったのではないかと思います。
感想
ユーザビリティははっきり言って悪いです。
また、余分と思われる機能が多く、カメラや動画を純粋に楽しみたいという方むけの機種ではありません。レンズやCOMSなどカメラとしては非常に完成度が高いだけに、惜しいことです。
その代わり、高速連写、ハイビジョン動画、超高速動画など、カメラで遊びたいという方にはうってつけの機種ではないかと思います。
カメラで記録を残す方むけではありませんが、カメラそのもので遊ぶ方むけの機種といえそうです。
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