10/10から10/12にかけて北東北をPENTAX K-xとCANON EOS D40をもって登山に出かけました。
初日に登った山は岩手山です。北海道に住んでいたこともあり東北道や東北本線を何度も利用していながら1度もその山容を目にしたことのない、わたしにとっては幻の山です。登山の当日の天候は晴れ、低い雲がかかっていましたが岩手山は雲の上に突き抜けてそびえていました。
登山は早朝から昼にかけての時間帯、天候は晴れで明るい撮影環境なので、K-xのISO6400という高感度を必要としない撮影条件です。つまりカメラの基本的な性能が分かる撮影条件でした。
岩手山の登山の様子は岩手山登山記としてまとめてあります。
カメラの設定は、
撮影モードはAV(絞り優先)。
ISOはオート(カメラ任せ)。
ホワイトバランスはオート(カメラ任せ)。
で行いました。
デジタル一眼レフカメラの撮影に慣れた人にとっては一番使いやすい設定ではないかと思います。
岩手山の撮影条件とカメラの設定で写真を撮ると、色が驚くほど鮮やかに撮せます。発色がはっきりしているというのでしょうか?。忠実色よりも鮮やかなので、カメラが色のチューニングをして記憶色にしまっていることがわたしは気に入りませんでしたが、通常のカメラは記憶色で撮影をします。
一般にはプリントアウトをした場合など、発色が鮮やかな方が喜ばれるので、K-xは入門機種(エントリーモデル)としてあえて忠実色として記録するのではなく、撮影者に喜ばれる色にチューニングをした忠実色にしているのだと思います。
これは好みによるところです。チューニングされた色そのものはわたしは好きです。ただわたしは忠実色を撮影する方なので、絵がチューニングされてしまうことは困ります。
以下、実際の写真をご覧下さい。
※写真をクリックすると800pxに拡大します。
岩手山の頂の氷のオブジェ
岩手山の山頂に吹く風は北西風のようです。岩の北西の方角に氷のオブジェが育っていました。
シャッタースピード:1/400
f:18
ISO:3200
焦点距離:20.00 mm
露出補正:+1.00
PENTAX K-x 紅葉と雪で彩られた岩手山を撮る
樹林帯の紅葉
登山道の登り口付近はまだ紅葉が始まったばかりです。赤や黄色の葉に混じって緑色の葉も見られます。実際の色よりも鮮やかに撮されています。
シャッタースピード:1/125
f:8
ISO:200
焦点距離:18.00 mm
露出補正:0.00
ハイマツ
ハイマツと葉が落ちた樹木が混生している標高です。ハイマツの緑と赤い葉、枯れたように見える落葉樹、背景は薄い雲。記憶色に近い色が出ています。
シャッタースピード:1/125
f:8
ISO:200
焦点距離:18.00 mm
露出補正:0.00
ハイマツの上の月
ハイマツ帯を歩いていると月が目にとまりました。本当はもうすこし月を大きく撮りたいところですが、標準レンズの望遠が55mmなのでこれが精一杯です。
シャッタースピード:1/160
f:10
ISO:200
焦点距離:55.00 mm
露出補正:0.00
雲海
登山の醍醐味の一つが雲を突き抜けて雲海を見ることです。雲が主役なのでホワイトバランスを調整したために、地上は暗く撮されています。
シャッタースピード:1/1250
f:9
ISO:200
焦点距離:18.00 mm
露出補正:-1.00
七合目付近から見た山頂
七合目付近に達すると視界が開け山頂が見えてきます。青い空の下に樹木がない火山特有の灰色の山塊があります。
シャッタースピード:1/125
f:14
ISO:200
焦点距離:18.00 mm
露出補正:0.00
わき上がる雲
上昇気流によって雲がわき上がってきました。青い空に白い筋上の雲、手前の真っ白い大きな雲、雲と雲の間に岩山があります。手前に葉が落ちた落葉樹の低木が見られます。
シャッタースピード:1/125
f:14
ISO:200
焦点距離:18.00 mm
露出補正:0.00
不動平から見た岩手山
岩手山の南側に広がる不動平から山頂を見上げました。青空と白い雲と雪、黒い山とハイマツの緑が良く写されています。
シャッタースピード:1/160
f:11
ISO:200
焦点距離:18.00 mm
露出補正:0.00
薬師岳と妙高岳
左が岩手山の最高地点の薬師岳。右が噴火口の中に盛り上がった妙高岳。
シャッタースピード:1/320
f:8
ISO:200
焦点距離:18.00 mm
露出補正:+1.00
外輪山から見た妙高岳
岩手山の噴火口には盛り上がった噴火丘があります。噴火丘を妙高岳と呼びますが、それを外輪山から写しました。
シャッタースピード:1/125
f:14
ISO:200
焦点距離:32.50 mm
露出補正:+1.00
岩手山の最高地点の薬師岳
岩手山の噴火口の外輪山の最高地点の薬師岳を望んだ写真です。
シャッタースピード:1/320
f:8
ISO:200
焦点距離:18.00 mm
露出補正:+1.00
感想
忠実色を記録として写真に撮りたいわたしにはちょっと不満がある機能ですが、絵を鮮やかな色彩にする記憶色のチューニングは素晴らしいものがあります。実際にはややくすんだ色合いでも、K-xで撮るとくすみが取れて鮮やかな色合いになります。これまでデジタル一眼レフカメラを購入してもその性能を出し切れないと思っている方にはこの絵のチューニングはうってつけだと思います。また、自分の色を設定で出して撮りたいという方にも向いているカメラだと思います。
逆に忠実色の写真を残したいという方には、カメラ任せでは撮せませんので各種の設定をその場その場で行わなければなりません。負担が大きくなります。今回はEOS 40Dと同じシーンを撮り、比べられたのですが、絵はK-xの方が艶やかな場合が多く見た目には綺麗ですが忠実色ではないことが確認出来ました。
参考
EOS 40Dで撮影をした七合目付近からみた山頂です。空の青みが抑えられているなどほぼ忠実色です。K-xの写真と比べてみてください。
EOS 40Dはわたしのカメラですので使用が慣れていますから、各種の設定を行って撮影をしています。
シャッタースピード:1/640
f:18
ISO:1000
焦点距離:17.00 mm
露出補正:0.00
持ち運びやすさ
この日は修理に出していたわたしの所有のデジタル一眼レフカメラのEOS 40Dが帰ってきたので、EOS 40D(約1.6kg)とK-xの2台のカメラ+PENTAX Optio W20を持って岩手山に登ったのですが、軽量小型のK-xは全く負担になりませんでした。これまでソニーα300やニコンD90などをEOS 40Dと一緒に持ってゆきましたが、さすがにデジタル一眼レフカメラを2台持って山に登るのは負担となっていました。
PENTAX以外のデジタル一眼レフカメラを使用していても、K-xにマクロレンズを付けて、花のアップ専用の2台目のカメラとして登山に持ってゆくのも現実的な選択肢だと思います。
軽量コンパクトのK-xはポシェットなどに入れ的日常に持ち歩くことが出来るカメラです。通勤の途中や散歩中有にふと見かけたシーンを撮すことも出来ると思います。
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