わたしが4級船舶免許を取得したのは20年も前になります。今のところモーターボートや水上バイクを買う予定はないのですが、毎年、免許取得を仲介した栃木マリンの展示会には出かけてゆきます。
乗っていないとはいえ、やはりモータースポーツが好きなんですね。
クルマとオートバイは所有していますが、水上を走る機械は乗る機会が少ないのと維持費がかかるのとで20年間購入しないでいました。
今回の展示会(4/3 4/4 2010)のわたしがみた目玉商品は新品の700ccの水上バイクと40ノットオーバーの中古のパワーボートでした。
YAMAHAの水上バイク
YAMAHAはシッティングタイプの水上バイクを得意としていますが、川崎のジェットスキータイプのスタンディングタイプの水上バイクを生産していることを、この日初めて知りました。
展示品は2006年式と型落ちなのですが新品です。エンジンは2ストローク、700ccです。
諸経費、法廷準備品等込みの値段で100万円足らず。性能を考えると格安です。
店員さんによるとシッティングタイプの水上バイクの方が高度なテクニックを必要としなくても乗りこなせる上に2人乗り、3人乗りのバイクもあるので人気はそちらに移っているそうです。
確かにこの手の水上バイクは何処の湖、河川に行ってもよく見かけます。
船体が大きく速度も出るので、わたしの様なカヤックで航行している人にとってはかなり苦手な存在です。
スタンディングタイプの水上バイクを乗りこなすにはそれなりの練習をこなさなくてはなりません。川崎がジェットスキーを開発した経緯を読んだことがあるのですが、わざと不安定な状態で浮かんだり進んだりするようにしてあるそうです。
理由は操る喜び、高度な技を達成した喜びをユーザーに知って貰いたいためでした。
YAMAHAのスタンディングタイプもこの点は同様で、初心者にはシッティング、正座して操縦になれて貰うそうです。操縦には舵を切る旋回、速度を調整するアクセルワーク、前方や左右や後方を見る安全確認などが含まれますので、基本をマスターするのが常道です。
わたしはオフロードバイクで未舗装路を走ることを趣味(仕事?)としているので、シッティングタイプの安定した水上バイクには興味がありません。
乗りこなすのが難しいスタンディングタイプの水上バイクが向いていると思います。
この水上バイク、全長が2mほどで、わたしのプリメーラツーリングワゴンなら乗せられるそうです。車内に格納できればトレーラーが不要となるので経済的です。トレーラーは購入費用だけでなく、車検も受けなければなりませんので維持費がかかります。
個人で楽しむユーザーの為に、組み立て式のキャリアーが売られているそうです。船底を乗せる部分は滑る仕様となっているので、車内への上げ下ろしが1人でできるそうです。
20年落ちのパワーボート
わたしが目をとめたもう1隻は船体価格100万円足らずのパワーボートです。
メーターがマイル表示なので正確な速度は計算しなければなりませんが、メータは55マイルまで刻まれています。1990年製なので20年落ち、エンジンもそれなりに劣化していると思いますので、オーバーホールをしていない限り本来のパワーは得られないと思います。
つまりメーター55マイルまで速度を出すのは無理と思いますが、50マイル前後は出るとすると、時速は約80km/h、44ノットは出るのではと思います。
水上の世界は地上の速度感とは全く異なります。
水上では20ノット位まではそれほど早く感じませんが、25ノットを超えるととても早く感じます。20ノットというのは高速の長距離フェリーの速度です。25ノットを超えるフェリーはないと思いますが、客船では北海道の天売島を結ぶ高速船や屋久島を結ぶ高速船が30ノット前後の速度を出していたと思います。
他にもわたしは未搭乗ですが佐渡島を結ぶ高速船や大分空港を結ぶホバークラフトなども高速です。
30ノットもでると向かい風で立っていられないと言われます。
豊田穣著の「四本の火柱-高速戦艦物語」に時速30ノットで疾走する高速戦艦に著者が搭乗した記述がありますので、水上での高速に興味のあるかたはご一読ください。
エンジンの取り付けは船内外機。エンジンは船体に内蔵されていますが、スクリューはシャフトで固定されていず、船外機のように左右に動かして舵の役割をさせるタイプです。
これが1100ccの船外機です。船外機ですとどうしても抵抗が大きくなるので高速艇には向かないようです。
操舵席。
自動車と比べるとシンプルです。
当然ですが、ウインカーやハードランプ、ブレーキランプ、ライトやワイパーなどが付いていないからです。
操舵の基本はハンドルとスロットルレバーだけで行います。もちろんですがブレーキはありません。
ボートを購入するときに躊躇させるのが維持費です。
車の車検にあたる船舶検査を定期的に受ける費用、最低でも月に1度は乗らないとエンジンそのほか可動部分が劣化してしまうこと。マリーナへの係船費用、もし自宅に保管するならボートをおけるだけの広い庭と船を移動させるためのトレーラー。
大洗のマリーナの係船料金は年契約ですが10万円を遙かに超えるそうです。
今年は日本百名山の残り50座の登山と、日本の主要な河川をカヤックで下ること、オートバイでの取材旅行が活動のメインとなりますので、ボートや水上バイクはまた今度ということになりました。
展示会に出られて眼福を得られたことで満足しています。