モンベル ムーンライト2の感想

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テントのレビュー

1997年から現在まで使用しているのがモンベル製のムーンライト2です。
雨にめっぽう強く、どんな豪雨でもテントの中に浸水してくることがありません。
組み立てと撤収がとても簡単にできて、慣れれば5分の作業量です。
また、雨の日の撤収では、荷物を全くぬらすことなくテントをたためることが出来ます。
このテントを使ってしまうと、よほど優れたテントでないと、他のテントを使用する気になれません。

テントの紹介

モンベル ムーンライト2

ムーンライトシリーズはモンベルのテントの中でももっとも歴史があります。
1970年代に発売され、以降マイナーチェンジを2回経ていますが、基本的な構造はそのままに現在でも発売されています。
前回のマイナーチェンジは、テントの生地は難燃性の素材のものを使うために行われました。生地に変更がありましたが、構造やデザインの変更はありません。

このクラスのテントは売れ筋なので競合製品が多いのですが、その中にあって30年以上も基本構造を変えずに消費者に支持され続けていることから、テントとしての完成度の高さがわかります。

モンベルのホームページから引用すると

モンベル・テントの中で最も歴史のある定番モデルです。その名の通り月明かりの中でも素早く設営でき、雨の多い日本の気候に最適な優れた防水性・通気性を誇ります。また、軽量ながら広々とした居住空間を確保しています。

という事になります。
軽量というのはどのテントと比較するかによりますが、素早く簡単に設営できることや優れた防水性と通気性を持っている事は確かです。

このテントは、昨年はトレックライズ0に役目を譲って一度も使われることはありませんでした。10数年使っていますが、1年間で1度も使わなかったことは初めです。
久しぶりに近くの公園で設営をしてみました。

部品について

ムーンライト2の部品はどれも大きく肉厚です。
これは設計が古いために、最新の素材ではないためと思われます。最新の素材を使えばいまの重さの2/3以下まで軽くできると思うのですが。
その代わり、肉厚なのでとても頑丈です。また、金属部品を多く使っているので、樹脂製品の様に「割れる、壊れる」ということがほとんどありません。
金属製なので、曲がったら直せばよいのです。

これが本体とポールの入っている袋です。
ポールと本体は別々の袋に入っています(現行のモデルは一つの袋に入っています)。
ムーンライト2と袋

袋から出したところです。
大きく分けるとムーンライト2は、テント本体、フライ、ポール、ペグに分けられます。
テントとポールの固定

これがポール。
見てわかるとおりにかなり太いです。
ただ、持ってみると、驚くほど軽いです。
ポールは脚の部分の4本と背骨の部分の1本がゴム紐で固定されて居て、1本として取り扱うことが出来ます。これは実際に使ってみると、とても便利な構造です。
ポール

付属のペグ。
O字型のペグです。とても軽い金属で出来ています。
O字型のペグは地面に打ち付けたときに回転をしても、引っかけたフックなどが外れることがほとんどありません。
10年以上使っていますが、まだまだ現役です。
軽金属なので、柔らかい芝のテントサイトなどに打ち込むには良いのですが、少し固い地面や石が混じっている地面は苦手です。
よく曲がってしまうのですが、ハンマーで軽くたたくと元に戻ってくれます。
L字型のペグに比べると視認性がよく、今までで1本もなくしたりしまい忘れたりしていません。このテントでキャンプをした回数を考えると驚異的なことです。
付属のペグ

組み立て

ポールを立てます。
ポールを差し込んでゆくと、半分は自動的に組み立ちます。ポールを組み立て終えると自立してくれるのはとても助かります。ポールが倒れてしまうと手で支えていなければならないからです。
テントとポールの固定

ポールの先端は危険防止のために、差さずに垂らしておきます。
こんな風に垂らします。
以前にまぶたを傷つけたことがあります、あと1センチずれていたら失明していたかもしれません。張るときに怪我の危険性のあるテントも珍しいでしょう。
テントとポールの固定

テントをポールの下に敷きます。
テントを敷いてからポールを組み立ててもかまいません。
テントとポールの固定

ポールの脚を、テントの四隅の金具に差し込みます。
ポールを組み立ててから地面に立てておくと、脚が地面に突き刺さってしまい、この部分に土が入ってしまうことがあります。一度土がポールの中に入ってしまうとなかなかとれません。
ムーンライト2に改善を望みたい点です。
テントとポールの固定

これが拡大写真。
棒状の金属をテントの脚に差し込むだけの単純な構造です。
この金属はもちろん軽金属でとても軽いです。
テントとポールの固定

テントの前後をポールに引っかけます。
ナイロンの帯がテントに着いているので、力を使わずにかけることが出来ます。
このあたり、細かいところにまで配慮を感じます。
テントとポールの固定

テントの中央のフックをポールに引っかけます。
軽金属製。
何度か曲げたことがありますが、金属製なので簡単に復元できます。
このフックはテント本体に張りを与えます。
フックを掛けないとテントの室内の高さが低くなり、狭くなります。
またテント本体とフライが接触してしまい、表面張力によってフライについている水がテント内に進入してしまいます。
テントとポールの固定

テントの前後と中央のフックを掛け終えたところです。
テントとポールの固定

テント本体をポールに固定します。
ベルクロなので気に入らないのですが、今まで使用してきて、水に濡れたりして粘着力が落ちたことはありません。
ベルクロと言うことを気にする必要はないのかもしれません。
テントとポールの固定

フライをかぶせる前に、外しておいたテントの前後のポールをつなげます。
テントとポールの固定

フライをかぶせます。
前後が非対称なのですが、形状がはっきりと違っているので、わかりやすいです。
フライは厚手の生地で出来ていて、かなり重さを感じます。
フライをかぶせる

フライの内側にフックが着いているので、これをポールの先端に引っかけます。
写真は後ろです。
テントとポールの固定

前にフックを引っかけるときは、フライのファスナーを少しあげるとやりやすいです。
テントとポールの固定

フライをテント本体に固定します。
フライの四隅にフックがついているので、これをテントの金属製の輪に引っかけます。
テントとポールの固定

テントの左右の脇の部分に、テントに張りを持たせるゴムロープを張ります。
フライに着いています。
横のフック

ペグをテントの四隅に打ち付けます。
O字型のペグなので、方向は気にする必要はありません。
ペグダウン

テントのおなかの部分のゴムロープをペグで固定ます。
これは長さを調整することが出来ます。
混でいるキャンプ場で、ロープを長く取ると、歩行者が引っかかってしまうので、それを防ぐためです。
これはゴムロープの端の金属製の輪にペグを打ったところです。ゴムロープが長く取られています。
横のゴム紐の固定

ゴムは2本を金属製のリングでつないであります。
中央のリングにペグを打つと、長さが半分となります。
横のゴム紐の固定

前室を固定するペグを2本打ちます。
モンベル ムーンライト2

これでムーンライトの設営を終了しました。
写真を撮りながらで約15分でした。慣れれば5分前後で組み立てが出来ます。
モンベル ムーンライト2

フライと前室

ムーンライト2は通気性(以下ベンチレーション)についてよく考えて作られています。
単に通気を良くすると言うだけでなく、必要なら閉鎖して密閉性を高くすることも出来ます。
この機能のおかげでムーンライト2は、夏の暑い季節だけでなく、春や秋、あるいは氷点下の冬のツーリングでも使用できます。
このあたりが、ベンチレーションを最優先してしまい保温性に物足りなさを感じてしまう、一般のツーリング向けのテントとの違いがあります。

前室を開けました。
ここから出入りをします。
ツーリングテントとしては、入り口は狭いと思います。
入口

前室を閉じながら、天井を少し開けて、ベンチレーションを確保することが出来ます。
雨天など前室で調理をするときに、天井に熱がこもるのを防いでくれます。
ベンチレーションにこだわるテントは多くありますが、前室の熱を逃す工夫をしているテントはそれほど多くありません。
モンベル ムンーンライト2

開けた前室はこのようにフックで止めます。
ちょっと開き気味のフックなので簡単に外れてしまうのが欠点です。ペンチでフックの開きを調整すれば良いのですが面倒なのでしていません。
入口のフック

ペグを外さなければならないので面倒ですが、前室を畳んでしまうことが出来ます。
よほど暑くて、風の通気をよくしたいときに有効です。
前室の折りたたみ

前室に靴を置きました。
ごく普通のトレッキングシューズですが、前室の面積の狭さがわかります。
左側が出入り口となるので開けますから、荷物などは右側に置くようになります。
前室の大きさ

ベンチレーション

通気性をセールスポイントにしている位なので、よく考えられた作りなのですが、テントの尻を風上に向けないと用をなしません。
テントの構造上やむを得ないのですが、風はテントの尻から入り前室へと抜けてゆきます。
前を風上に立てると、風圧を受けてしまい、テントが不安定となってしまいます。
逆に言うと、風向きを考えてテントを立てれば、ある程度までの強風なら耐えてくれます。
ただし、風向きが一定しないときにはきついです。
鹿児島県の内之浦の海岸線にテントを張ったときには風が巻いていて、風上が一定しませんでした。突風が横から吹いたときにはテントは転がっていました。ちょうど食事をしていたのでスープの入ったコッヘルとご飯を載せいていたシェラカップを持ってコロンと半回転したことを覚えています。以後、風の吹きそうな所にはテントを張らなくなりました。

テントの入り口は二重構造となっていて、外側がメッシュ、内側が通常の生地です。
メッシュとすると、このような感じとなります。
入口のメッシュ

保温のために密閉性が欲しいが、熱がこもりすぎないようにある程度の通気性も確保したいと言うときには、入り口の上側を少し開けます。
20cmの三角形の形の通気口を確保できます。
入口のメッシュ

テントの尻を、室内から開けて、メッシュとすることが出来ます。
室内のベンチレーション

開けたテントの生地は、野暮ったいたたみ方ですが、テント本体に固定できます。
このあたりはデザインの古さを感じます。
室内のベンチレーション

居住性

ムーンライト1と2の最大の欠点は居住性でしょうか。
台形の形を取ったり、頭側を高くしたりと、工夫を凝らしていますが、入り口付近以外で座ると頭が天井に触れるので座ることも出来ないなど、室内の容積は決して広くはありません。
ムーンライト2は、モンベルでは2人用のテントという位置づけですが、このテントで2人で寝ることは現実的には無理でしょう。

わたしはこのテントで30泊以上のツーリングを何度もしていますし、多い年には100日以上をこのテントの中で寝泊まりしました。
テントの室内の大きさは個人差があるようです。

テントの中に銀マットを敷きました。
頭のがわから尻のがわを見たところです。
ムーンライト1と2は頭が大きく尻に行くに従って細くなる、床の形状が台形の形をしています。
室内の広さ

尻のがわから頭の方を見たところです。
左右にスペースがあるので、ここに脱いだ衣類や荷物を置くことが出来ますが、十分な広さがあるとはいえません。
ツーリングの荷物の一部は防水バッグに入れて前室に置くようになります。
室内の広さ

ポケット。
左右に1つずつ着いています。
鍵などの小物を入れるのに重宝します。
ポケット

携帯性

購入をしたときにはテントの袋の中にポールが入っていたのですが、使用してからはテントとポールは別々にしまっています。
これだけ大きな袋が2つもあると以外にかさばってしまいます。
と言って、2つに分かれていることは悪いことばかりではなく、ツーリングの時にバッグにしまうときには、テントとポールを別々に考えることが出来ます。

例えば、テントは柔らかく壊れる部分のほとんどない素材で出来ているので、荷物全体のクッションの役割を果たさせるために、下になるように入れます。
テントをバッグに入れてから、コッヘルやストーブなどを入れるわけです。
ポールは衝撃を与えると曲がったり折れたりする可能性があるので、出来るだけ上になるように入れます。

スペック

素材:
■テント本体:70デニール・ナイロン・リップストップ(通気撥水加工)
■フライシート:75デニール・ポリエステル・タフタ(耐水圧1,500mmウレタン・コーティング)
■グラウンドシート:1・2・3型:70デニール・ナイロン(耐水圧2,000mmウレタン・コーティング)
■ポール:7001アルミ合金(アルマイト酸化皮膜加工)
本体重量:2.6kg(2.8kg)※( )内はペグ、スタッフバッグを含む総重量です。
カラー:グリーン(GN)/ アイボリー(IV)
構成:テント本体1、フライシート1、フレーム1本、ペグ8本

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このブログ記事について

このページは、mizunumaが2011年5月12日 10:18に書いたブログ記事です。

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