登山で使う|Wristable GPS SS700Sレビュー

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9月の登山シーズンに間に合うようにと発売前(発売日は8/23)に予約を入れておいたWristable GPS SS700Sだったのですが、人気が高く品薄が続いたために、9月の終わりの頃に納品されました。
このため、日本アルプスの登山に使うのには間に合いませんでしたが、10月は奥秩父山脈の甲武信岳を南北に1泊2日で縦走し、11月は丹沢山地を西から東に3泊4日で縦走して、その山旅にSS700Sを持って行き、登山での使い勝手を試してきました。

Wristable GPSシリーズはランニング用のGPS機器なので、距離データ、消費カロリーなどSS700Sが表示する数値は登山の役に立ちませんでしたが、SS700SのGPSが測定する標高や、記録するトラックデータは、緻密な正確性を求めないのであればなんとか実用に耐えられる範囲であることが分かりました。

以下、登山でのWristable GPS SS700Sのレビューです。

登山で使える機能と使えない機能

SS700Sは距離の測定や消費カロリー計算など多機能のGPSなのですが、これらの機能はランニングに特化しています。
このため、殆どの機能が登山では役立ちませんでした。

使えなかった距離の計測

直線的な登山道の場合は、誤差は少ないのですが、それでも10%以上も測定距離が実際の距離よりも短くなります。
急峻な登山道は、大抵がジグザグに道が切られていて、右に左に曲がりくねりながら登って行くのですが、このジグザグがアルゴリズムでGPSの揺らぎと補正されてしまい、直線に修正されるので、計測距離はさらに短くなってしまいます。

例を挙げると、西沢渓谷の登山口から甲武信岳を越えて、十文字峠の北東の尾根にある四里観音避難小屋までを歩いたとき、GAMIN eTrek HCx VISTAの計測距離が14.43kmなのに対して、Wristable GPS SS700Sの計測距離は11.96kmでした。
その差は2.47km。14.43kmの約17%の誤差となります。
注:GAMIN eTrek HCx VISTAを使い始めたのは2009年の秋からですが、これまでに高尾山から陣馬山の縦走路を始め、距離の表示のされている登山道を幾つか歩き、誤差の殆ど無いことを確認しています。誤差は3%前後、多めに出る傾向にあります。

甲武信岳を歩いた時の軌跡をSS700Sで取得したものを、Google Earthで表示させました。
甲武信岳

西沢渓谷(1110m)から甲武信岳(2475m)まで1365mの標高差がありますが、特に西沢渓谷から木賊山に登る戸渡尾根の登山道(徳ちゃん新道)は急峻な坂道です。
ジグザグを切った区間も多くあるので、誤差も大きくなったようです。
DSC02815

使えた標高の計測

登山で道に迷ったとき、地図とコンパスで位置を特定するのですが、標高が分かると現在位置が把握しやすく、精度も高くなります。
アウトドア・ユーザー向けと言われていたSS700Sですが、残念ながらコンパスの機能は持っていません。
GPSの電波から標高を得ることは出来るだけです。

上記の甲武信岳を歩いた時の、主なピークの標高をSS700Sで取得したものと、地図に書かれている標高を上げると、次の様になります。

ピーク名 地図  SS700S 
木賊山 2468m 2467m
甲武信岳 2475m 2475m
 三宝山 2483m  2480m 

木賊山の誤差が1m、甲武信岳は誤差無し、三宝山の誤差が3mです。

標高が1000mに満たない山でも計測してみました。
下記の写真は、中央線の鳥沢駅(北端)を出発して道志山地を南北に縦走して御正体山へ向かう途中の軌跡を、Wristable GPS SS700Sで取得したものをGoogle Earthに表示したものです。
丹沢

道志山地のルートを歩くと、1000m前後のピークを幾つか越えることになります。
SS700Sで計測したピークの標高と、地図に書かれている標高を上げると、次の様になります。

ピーク名 地図  SS700S 
大ダビ山   901m  899m
 日向船  927m  926m

これを見ると、大ダビ山が誤差2m、日向船が誤差1mしかありません。

甲武信岳の時の天候は曇天ですが、2500m近いピークなので、木賊山を除くとそれほど樹林には覆われていません。
つまり、GPSが計測する人工衛星からの電波の受信が比較的容易な条件と言えます。

対して、道志山地の頂上や稜線は、標高が低いので厚い樹林に覆われています。
樹木に電波が弱められます。

SS700Sの標高の計測機能を言えば、誤差の小ささは、腕時計型というサイズを考えるとすばらしいと言えます。
標高でこれだけ誤差が少なければ、十分に実用になるでしょう。
もし、次のモデルで電子コンパスが搭載されれば、それだけで本格的なアウトドアシーンにも使える様になるかもしれません。

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このブログ記事について

このページは、mizunumaが2012年12月16日 10:54に書いたブログ記事です。

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